四季を通じて動物たちが見つける「家」の物語。安心できる場所の意味を感じる絵本。
誰にとっても「家」は特別な場所。心が落ち着き、体を休める大切な居場所です。この絵本「いえがあるっていいね」は、森の動物たちや自然の中に生きる生き物たちが、それぞれの「家」を大切にしている姿を描いています。読み終わると、思わず「自分の家っていいな」と感じられる、温かい気持ちになれる一冊です。

なんといっても挿絵が工夫されている絵本だね。

家族でこの本を読むと、家のありがたさが伝わるよね。
あおぱぱ評価(あおぱぱの独断と偏見による感想です)
- ストーリーの面白さ (8点): 自然の中で動物たちが家を作る様子が魅力的です。
- イラストの魅力 (10点): 四季の美しさと動物の暮らしを丁寧に描いています。
- 教育的要素 (9点): 動物の生態や自然の大切さを学べる内容です。
- 年齢適性 (8点): 3歳以上の子どもに適し、大人も楽しめます。
- 再読価値 (9点): 挿絵の美しさや深いテーマで何度でも楽しめます。
作品の情報
書名:いえがあるっていいね
著者:作: パトリシア・ヘガティ 絵: ブリッタ・テッケントラップ 訳: 木坂 涼
出版:ひさかたチャイルド
ページ:25ページ
あらすじ
春になり冬眠から目覚めたクマの親子を中心に、動物たちの「家」をめぐる冒険が描かれます。リスが木の上で巣を作り、ビーバーが川で頑丈なダムを築き、ウサギたちが地面の下で安全な巣を掘る姿。それぞれの動物たちが工夫しながら「自分たちの家」を作る様子がほのぼのとした筆致で綴られます。季節が巡り、再び冬が訪れると、クマの親子は家で安心して眠りにつきます。
絵本の感想
「いえがあるっていいね」は、絵本を通して「安心できる場所がある」ということが、どれほど大切かを教えてくれます。動物たちがそれぞれの生態に合わせた家を作る様子は、学びながら楽しむことができる内容です。また、四季の移ろいが鮮やかに描かれたイラストが美しく、家族で読むと一層心温まる時間を過ごせます。
本が教えてくれた言葉
いえはあんしんして ねむれる ばしょ。
この一文には、「家」というものの本質が詰まっています。安心して休める場所があることで、私たちや動物たちは充実した日々を過ごせるのだと気づかされます。この文章を引用した理由は、そのシンプルさの中に深い普遍的なメッセージが込められているからです。
挿絵について
「いえがあるっていいね」の挿絵は、物語に命を吹き込むとともに、自然の美しさや動物たちの生き生きとした姿を鮮やかに描いています。この絵本の挿絵には、ページをめくるたびに驚きと感動が詰まっています。
1. 四季の移ろいを感じる色彩
春の明るい緑、夏の青々とした川、秋の柔らかな光、そして冬の静寂。この絵本の挿絵は、四季の移ろいを巧みに描き出し、自然の中にある「家」のぬくもりを感じさせます。ページごとに異なる季節の情景は、まるで自然の中を旅しているような感覚を与えてくれます。
2. 動物たちの家の描写
リスが木の上で巣を作り、ビーバーが川で頑丈なダムを築き、ウサギが地下に巣を掘る姿。それぞれの「家」が、動物たちの個性や生態を反映して描かれています。小さな子どもたちは「こんな家があるんだ!」と興味を持ち、大人はそのリアルさと丁寧な表現に感心するでしょう。
3. 月夜のわたりどりの美しいシーン
特に、寒い季節に向かうわたりどりたちが飛び立つシーンは印象的です。夜空を背景に、月の光に照らされる鳥たちの姿は、静かで幻想的な雰囲気を醸し出しています。この挿絵は、家の概念が固定された場所だけではなく、旅の途中にも存在することを伝えています。
4. 切り抜きのデザインが生む奥行き
ページにある切り抜きや重なりが、挿絵に奥行きを与えています。例えば、動物たちの家の内部が見える工夫は、読者の興味を引き、細部に注目させます。この仕掛けは、子どもたちが絵本を繰り返し手に取りたくなる魅力のひとつです。
5. 親子の温かい姿
表紙を飾るクマの親子の姿は、この物語の核となるテーマ「安心できる家族の居場所」を象徴しています。その温かさは、物語を通じて何度も繰り返し感じることができ、読者の心に深く響きます。
挿絵の力が「いえがあるっていいね」の物語をさらに豊かにし、読者に自然の偉大さや家の大切さを静かに語りかけてくれます。この絵本を手に取れば、絵と物語が織りなす美しい世界に引き込まれることでしょう。
絵本の対象年齢
3歳から8歳
簡潔な文章と鮮やかなイラストで、小さなお子様でも楽しめます。また、小学生も「家」の意義を考えるきっかけになる内容です。
教育的効果
- 自然のしくみを学ぶ
動物たちがどんな工夫をして家を作るかが描かれ、自然の生態系について興味を持つきっかけになります。 - 安心感の重要性
「家」というテーマを通して、子どもたちに安心感や休息の大切さを伝えます。 - 家族のつながり
クマの親子を中心としたストーリーが、家族の大切さを感じさせます。
読み聞かせのポイント
「いえがあるっていいね」を読み聞かせる際には、動物たちが家を作るシーンをゆっくり丁寧に描写するように読んでみてください。特に、動物たちの工夫や性格に声のトーンを変えて読み聞かせると、子どもたちがそのキャラクターに親しみを感じやすくなります。また、物語が進むごとに季節が移ろう様子を一緒に観察し、「春の花が咲いているね」「冬がやってきたね」と季節感を共有することで、子どもたちの自然への関心が深まります。最後に「私たちの家の良いところはどんなところだと思う?」と問いかけることで、家族の絆を深める機会にもなります。
まとめ&あおぱぱチェック
絵本「いえがあるっていいね」は、安心できる「家」が持つ本当の意味を優しく教えてくれる一冊です。四季の移ろいとともに進む物語は、読んだ後に心を温かくしてくれます。ぜひ家族で一緒に読み、家のありがたさや自然の素晴らしさを共有してみませんか?
機会があれば『いえがあるっていいね』を手に取ってみてください。心に響く優しい時間があなたを待っています!
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