家と学校の間で揺れ動く心を描いた成長の物語。小さな冒険者たちに贈る一冊。
子どもにとって「学校」は、時に楽しく、時に不安な場所。家のように安心できる場所ではないけれど、新しい発見や友達との出会いが待っています。そんな子どもの複雑な気持ちを優しく見守りながら寄り添う絵本が『ぼくとがっこう』です。学校生活に不安を抱えているお子さんや、新しい環境に飛び込む勇気を後押ししたい親御さんにぴったりの一冊です。

学校行くのが楽しみな日もあれば行きたくない日もあったよね。

そんな気持ちをわかってあげられる絵本があると、安心できるかもね。
あおぱぱ評価(あおぱぱの独断と偏見による感想です)
- ストーリーの面白さ (9点): 学校での葛藤や成長をリアルに描いて共感度大。
- イラストの魅力 (9点): 優しい色合いで日常の情景を温かく表現。
- 教育的要素 (10点): 友情、自己成長、社会性を自然に学べる内容。
- 年齢適性 (8点): 4〜8歳向け。理解には親のサポートが◎。
- 再読価値 (10点): 成長と共に異なる視点で再発見が可能。
作品の情報
書名:ぼくとがっこう
著者:谷川 俊太郎 絵:はた こうしろう
出版:アリス館
ページ:17ページ
あらすじ
『ぼくとがっこう』は、主人公の“ぼく”が学校で過ごす日々の中で感じるさまざまな気持ちを描いた物語です。家では「ぼく」でいられるけれど、学校では「生徒」として振る舞わなければならない。友達と仲良くしたり、時にはケンカをしたり、好きな本に没頭したり…。学校という場所が持つ、楽しいことも、寂しいことも、すべてが彼の成長の一部です。物語は彼が少しずつ大人に近づいていく姿を静かに映し出します。
絵本の感想
この絵本は、子どもたちの「学校」という環境に対する心の葛藤をとてもリアルに描いています。新しい場所に飛び込む勇気を持つ子もいれば、毎日が挑戦の連続の子もいます。どちらの気持ちも丁寧に拾い上げ、子どもたちが自分の気持ちを素直に受け入れられるように寄り添っています。読み終えた後には、子どもが学校について何を感じているのか、親子で話し合うきっかけにもなりそうです。
また、作者の谷川俊太郎さんは現代日本を代表する詩人であり、その詩は多くの読者を魅了してきました。『ぼくとがっこう』でもその詩的な表現を活かして子どもたちの心の揺れ動きを優しく丁寧に描いています。
谷川俊太郎さんが翻訳した「スイミー ちいさなかしこいさかなのはなし」の紹介記事はこちら。
挿絵について
『ぼくとがっこう』の挿絵は子どもたちの日常をリアルに切り取っています。色鉛筆のような柔らかいタッチと温かみのある色使いが、子どもたちの心の揺れ動きや学校生活の雰囲気を美しく表現しています。
特に卒業式のシーンでは、ピンクの桜が舞い散る中、子どもたちが卒業証書を手にしています。子どもたちの成長と旅立ちの瞬間を描いており、背景の淡いピンク色と黒い制服のコントラストが少しの寂しさと新しい未来への希望を象徴しています。私の一番好きな一枚です。
絵本の対象年齢
4歳〜8歳
小学校に通い始めたばかりの子どもや、新しい環境に馴染むのが苦手な子におすすめです。
教育的効果
- 自己認識とアイデンティティ
「うちではぼく、学校では生徒」といった二つの顔を持つことに気づくことで、自己のアイデンティティについて考えるきっかけを与えます。 - 社会性と友情
友達との関わり方を通して、好きな友達や苦手な友達、そしてケンカして仲直りする経験が成長に必要な社会性を育んでいきます。 - 新しい環境への適応
学校という新しい環境への不安やワクワクする気持ちが描かれているため、新しい場所に飛び込む勇気を後押ししてくれます。 - 感情の受容と表現
学校が楽しい日もあれば、行きたくない日もある。子どもの心の揺れ動きを描くことで感情を素直に表現することの大切さを教えてくれます。
読み聞かせのポイント
読み聞かせの際は、子どもが共感できる部分を一緒に感じ取ってあげることが大切です。「こんなこと、君も感じることある?」と問いかけながら進めると、子どもが自分の学校生活について話してくれるかもしれません。
まとめ&あおぱぱチェック
『ぼくとがっこう』は、学校生活に対する子どもの心の動きを優しく描いた絵本です。親子で一緒に読むことで、お子さんの不安や悩みを共有し、新しい一歩を踏み出す勇気を与えるきっかけになるでしょう。ぜひ、手に取ってお子さんと一緒に読んでみてください!
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